日進市 「産後うつ」と言う病気を理解することが大事
2014-12-13
妊娠・出産は女性にとってうれしい反面、
肉体的にも精神的にも大きな負担がかかってしまうものです。
その為に、産後2~3日以内に情緒不安定などの精神症状が起こって、
10日目位で軽快する「マタニティーブルーズ」といわれるものを、
多くの方が経験します。
しかし、その一方で産後4週間程度経ってから不調になりはじめて、
2週間経っても症状が改善しない場合や、悪化傾向がみられる場合もあります。
これが、うつ病の一種となる「産後うつ」で、
気づかないまま対処をしないで治療を先延ばしにしていると、
最悪の場合本当の「うつ病」になってしまう可能性もあります。
強いストレスを感じる環境にある人なら、
誰でもうつ病にかかることを認識しておきましょう。
では、なぜこのような症状が起こるのでしょう。
一般的な原因として考えられているのは、
出産により起こる「エストロゲン」と「プロゲステン」という女性ホルモンの変化で、
もうひとつは出産による環境の変化が与える心身へのストレスが挙げられます。
環境の変化が与える心身へのストレスに関しては、
お母さんの性格に由来する部分も大きいといえます。
ただ、現在の段階では明確な原因は解明されていません。
また、症状の現れ方も様々で、多くの場合は、
周囲の理解とサポートがあれば、自然に改善していく、軽度から中等度です。
しかし、中には育児など様々な面で著しい障害をきたしてしまい、
医師の治療が必要な重症もありますし、
酷い場合には自殺や子どもの虐待につながることもあります。
「産後うつ」はれっきとした病気で、
軽度から重症までを含めると約10%のお母さんがなる病気と、理解しておきましょう。
イライラ・不眠・頭痛など心身の不調が起こる場合は、
心療内科などの専門家の診断や、投薬などで治療するのが良いでしょう。
しかし、最も重要な予防策は、環境の変化とお母さんの性格の両面で考えることです。
性格面では、まじめで完璧主義の性格の人が陥りやすく、
育児などが完璧にできないことで、
ストレスを溜めてしまい症状を起こしてしまいます。
難しいことでしょうが、その性格を変えることが予防策になるので、
まずは「新米ママだからできなくて当然」と開き直ることも大切かも知れません。
環境の変化に関しては、周囲のサポートが一番で、
実の両親は育児の先輩であると共に、
遠慮なく相談できる相手で安心感があるので、
可能ならば実の両親に助けてもらうと良いでしょう。
ただ核家族化した現代では、
最も頼りになるのは夫のサポートで、
夫が自分のできる役割を考えて行動することにより、
自然と予防・改善の道も開けていきます。
育児への積極的な参加はもちろんですが、
妻の話しの聞き役になることも重要な役割で、
そのことを理解できるかどうかが分岐点になるかも知れません。
いずれにしても、
「産後うつ」と言う病気について、
正しく理解しておくことが大事です。